予防歯科は歯の健康寿命を延ばす
歯を失う原因についてご存知でしょうか?42%が「歯周病」、31%が「虫歯」によって歯を失います。では、人の歯の本数をご存知でしょうか?人の歯は親知らずを抜くと28本存在することになります。
そのうち80歳までに20本残すことを目標に掲げられていますが、現在日本では80歳の方の平均残存数は9本のみです。予防歯科の考えが根付いているスウェーデンでは80歳の平均残存数は21本と日本よりも多くの方が健康な歯を残すことができています。
「予防歯科」は未然に病気を防ぐためのもの!
予防歯科は歯周病治療とは異なります。予防歯科は未然に虫歯や歯周病になる前にお口の健康を守り、良い口内環境を保つために行う処置になります。まずは予防歯科に入る前にきちんと虫歯等のお口の中の悪いところを直していく必要があります。口内環境を整えた良い状態を継続させるために行うのが「予防歯科」になります。
「予防歯科」はご自身のお口の中を正しく知ることから始まります
ご自身のお口の中をきちんと見たことはありますか?毎日歯磨きしたり目にする機会はあってもきちんとお口の中を確認できている人は少ないかと思います。痛みがないだけで慢性的な虫歯になっている箇所もあるかもしれませんし、レントゲンで確認を取らないとわからない嚢胞(のうほう)が潜んでいるかもしれません。
予防歯科は虫歯や歯周病といった病気を見つけるためだけに行うものではなく、歯並びや噛み合わせや唾液の質や量、舌や粘膜の健康状態なども合わせてみていき、将来の病気のリスクをみていきます。
当院が予防歯科で行うこと
実際にどのような予防歯科を行っているかご説明します。予防歯科に入る前にはきちんと虫歯や歯周病といった問題はないか確認させていただき、全ての治療が終わってから予防歯科に移らせていただきます。
定期的な歯科検診とクリーニング
歯科衛生士による、PMTCで歯に付着したバイオフィルムやステイン汚れを除去していきます。また、専用の器具で歯石も除去していきます。定期的なクリーニングは虫歯や歯周病のリスクを減らすことに繋がります。
歯周ポケットの状態を確認したり、歯茎の色や出血の有無で健康状態をみていきます。
患者さん1人ひとりに合わせた歯磨き指導
歯周病リスクが高いのか、虫歯のリスクが高いのかでも歯磨き指導の方法は変わります。患者さんの生活背景も加味して個別に合わせた歯磨き指導を行います。
同時に、フロスや歯間ブラシといった補助用具の使い方の指導も行います。
虫歯リスクの高い方には食事指導も行います
虫歯は「虫歯菌の量」「歯質」「食事性基質」の3つのメカニズムをコントロールすることで予防することが可能です。そのうち、「虫歯菌の量」は定期的なクリーニングでコントロールすることができ、「歯質」は普段の歯磨きでフッ素を使用することで歯質強化することができます。
「食事性基質」に関しては、食事の摂り方、糖分の摂り方、食事時間等をコントロールすることでリスクを減らすことができます。虫歯リスクの高い方には歯磨き指導に加えて食事の摂り方等の指導も行います。
生涯自分の歯を使えるように定期検診を行いましょう
日本人の多くが歯科医院は「歯の悪いところを直す」のが目的になっています。ですが、本当に歯の健康のことを考えると北欧の方のように「歯をできるだけ長く保つ」のを目的として歯科医院を利用するべきです。
定期的な予防目的の通院と虫歯で通院するのでは通院回数も違いますし、費用にも大きな差が出ます。生涯自分の歯を残し、健康的に過ごすには定期的な検診で悪くなる前に未然に防ぐ必要があります。歯科治療が終わったら、当院の予防歯科システムを利用して継続して健康的な状態を保ちましょう。